過ちを犯したとしても、
いつまでも悔やみ続けるべきではない。
人は、手に入らなかったものや、選ばなかった道を、
つい「あちらの方が良かったのではないか」と
美化してしまいがちである。
だが実際には、
手に入らなかったものがそこまで素晴らしいわけでもなければ、
選ばなかった道が今歩む道よりも平坦なわけでもない。
足を踏み入れなかった道にも、同じように無数の棘が散らばり、
耐えがたいほどの風雨が吹き荒れていたに違いない。
それは人が強欲だからではなく、
ただ意識が見果てぬ景色をあまりに眩しく美化し、
美しい錯覚を見せているに過ぎない。
たとえ時を巻き戻し、やり直す機会が与えられたとしても、
当時の心境や見識では、結局のところ、
また何かしら不完全な道を選び取っていたはずである。
人生は碁に似ている。
一度打った手には、後悔しない覚悟を持つべきだ。
ぶつかった壁も、舐めた辛酸も、
愛し方を間違えた相手でさえも、
すべては己が成長するための必然の過程であった。
それらの経験は、魂に教訓を深く刻み込み、
心身をより逞しく鍛え上げてくれたはずだ。
過去の悔恨に浸り、幻の旅路を羨むのはもうやめよう。
経験したすべての出来事には、確かな意味が宿っている。
その清濁のすべてが、最後には、
誰にも代えられない 「唯一無二の貴方」 を形づくるのだから。