組織化
組織化のプラクティスの目的は、プロジェクトの説明責任と責任の所在(「誰が」)を定義し、プロジェクト組織を確立すること。
基本定義
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 役割 | 特定のプロジェクトのグループまたは個人にアサインされた機能。プロジェクト外の個人の地位や仕事とは異なる |
| プロジェクト委員会 | プロジェクトの成功についてビジネスに対する説明責任を負い、ビジネスが設定した権限内でプロジェクトを指揮する権限を持つ |
| デリバリー・モデル | ユーザー・ビジネス・サプライヤーの組織におけるプロジェクトの制約条件と能力を考慮して、プロジェクト目標を達成するために展開される組織的および商業上の取り決め |
| WBS | プロジェクト中に終わるすべての作業の階層であり、成果物ブレークダウン・ストラクチャーとワーク・パッケージの間のつながりを形成する |
プロジェクトの3つの関心
| 利害関係者 | 説明 |
|---|---|
| ビジネス | プロジェクトはビジネスのニーズを満たすために作成され、プロジェクトの存続期間を通じて継続的にその価値を正当化する必要がある |
| ユーザー | プロジェクト成果物は定義された一連のユーザーにベネフィットを提供する。ユーザーは内部にも外部にも存在しうる |
| サプライヤー | プロジェクトには協力して成果物を提供するための専門的スキルと知識を持つ人材が必要(組織内・外部サプライヤー) |
ビジネス・ユーザー・サプライヤーの利害がプロジェクト委員会に集められ、プロジェクトの成功に対する説明責任を負う。

組織の4レベル
| レベル | 役割 | 主要責任 |
|---|---|---|
| 委託(ビジネス・レイヤー) | ビジネス内の委託者 | プロジェクト権限委任の提供、エグゼクティブの特定、プロジェクト・レベルの許容度の定義 |
| 指揮(プロジェクト委員会) | ビジネス・ユーザー・サプライヤーの代表者 | プロジェクトの成功に対する説明責任、全体的な指揮とマネジメント、ステージの認可 |
| マネジメント(プロジェクト・マネージャー) | プロジェクトの日々のマネジメント担当 | プロジェクト委員会が確立した制約条件内での日々の運営、成果物の確実な作成 |
| 提供(チーム・マネージャー) | プロジェクトの各要素を日々マネジメント | プロジェクト・マネージャーが確立した制約条件内での各要素の意思決定と実行 |
主要な役割
プロジェクト・エグゼクティブ
- プロジェクトの唯一の説明責任者としてビジネスから任命される
- この説明責任は委任できない
- プロジェクトの資金を確保し、ビジネス・ケースとプロジェクトのビジネス正当性の継続に実行責任を負う
- ビジネス戦略に整合した方法で効果的にプロジェクトをガバナンスする実行責任を負う
- 役割は複数の人に割り当てることはできない
シニア・ユーザー
- ユーザー・コミュニティを代表し、ユーザー要件を把握するアプローチとベネフィットの仕様について説明責任を負う
- 主な実行責任:
- プロジェクトへのユーザーの賛同を確保する
- ビジネス・ケースに沿った要件に照らして成果物をモニタリングする
- 予測ベネフィットが実現に向けて順調に進んでいることをデモンストレーションする
- 要件とベネフィットの変更をコントロールする
- 成果物のビジネスへの移管と導入を成功させる
シニア・サプライヤー
- プロジェクト成果物の提供のあらゆる側面に関与するサプライヤーのコミュニティを代表する
- サプライヤー組織から十分な人とリソースの継続的なコミットメントを確保する
- 提供される成果物の品質とプロジェクトの技術的な完全性に対する説明責任を負う
プロジェクト委員会の全体的責任
- プロジェクト目標達成に十分な資金・人・リソースを確保する
- プロジェクトの適応と進化を支援するための明確なフィードバック・ループを確立する
- プロジェクト・マネージャーから独立してパフォーマンスと成果物を保証する
- ビジネス戦略とビジネス目標がビジネス・ケースに反映されるようにする
- プロジェクトとそのマネジメント・アプローチがビジネスのESGコミットメントと整合するようにする
- 例外によるマネジメントを可能にするためのステージの許容度を設定する
- プロジェクト・チームの安全とウェルビーイングに焦点を当てる
プロジェクト・マネージャー
- 合意されたプロジェクト許容度と制約の範囲内で、プロジェクト委員会に代わってプロジェクトを実行する権限を持つ
- 主な実行責任:
- 作業を管理し、必要に応じてチーム・マネージャーまたはチーム・メンバーに委任する
- ワーク・パッケージの許容度と制約を設定する
- プロジェクト委員会のガイダンスと許容度に沿って意思決定が行われるようにする
- チーム・メンバーの安全とウェルビーイングをモニタリングし支援する
チーム・マネージャー
- プロジェクト・マネージャーが合意した許容度と制約内で作業の割り当てを提供する実行責任を負う
- 合意された仕様に従って成果物を提供する
- チーム内の関係および他チーム・プロジェクト・マネージャーとのインターフェースの関係を管理する
プロジェクト保証
- プロジェクト委員会はプロジェクト保証の実施方法を確立し、役割と責任を明確にする
- 保証タスクはプロジェクト委員会メンバー自身・より広範なビジネスから任命された者・外部関係者から選出された者が実施できる
- プロジェクト保証の役割はプロジェクト・マネージャー・チーム・マネージャー・プロジェクト支援にアサインできない
- 保証の独立性を維持するために、プロジェクト支援の役割から分離する必要がある
プロジェクト支援
- 事務管理支援・会議進行・プロジェクト・ツールのガイダンス・計画立案支援・リスク・課題・変更マネジメントなどを提供する
- この役割はプロジェクト・マネージャーの責任だが、サプライヤー・個人・グループ・他のチーム・メンバーに委任できる
技法
組織のエコシステムの理解
一時的な組織として、プロジェクト・アプローチでは組織のエコシステムとの連携と整合を定義する必要がある。責任の明確化が必要な課題:
- 人的マネジメント:パフォーマンス・マネジメント・報酬・昇進・ウェルビーイング
- ガバナンス:コーポレート・ガバナンスの対象となる決定
- マネジメント・アプローチ:方針・手順・作業方法
- 方法とタイミング:プロジェクト内外でのチーム・メンバーの移行
プロジェクト・エコシステムの設計
- チームの効果的な構造の決定
- 必要な人材とリソースの決定
- 統合された作業プラクティスの実施
- プロジェクトの振る舞いとカルチャーの構築
プロジェクトの規模・複雑性・アプローチによっては、組織構造はプロジェクトの異なるステージで移転が必要になる場合がある。可能であれば立ち上げステージで特定・計画し、ステージごとの組織を確立する。
組織のエコシステムへのプロジェクトの移行
クローズ時に考慮する3つの重要な側面:
- 成果物:すべての成果物がビジネスに受け入れられ、関連する継続的な活動がビジネスの適切な分野に所有されるようにする
- 人:残っているプロジェクト・チーム・メンバーが問題なくビジネスに復帰するようにする
- 学習:教訓を共有し、得られた知識を使用するための最も効果的な手段を確保する
RACIチャート
| 略語 | 意味 |
|---|---|
| R(Responsible) | タスクを実施する実行責任者(1 人以上) |
| A(Accountable) | タスクを「所有」する説明責任者(1 人) |
| C(Consulted) | タスクに必要なインプットをする協議先 |
| I(Informed) | タスクの進捗または完了について通知を受ける情報先 |
RACIチャートのベネフィット:オーナーシップの明確化・デリバリーに対する明確な責任・チームワークの強化・混乱の軽減
マネジメント成果物
商業マネジメント・アプローチ
- 目的:適用されるべき手順・技法・標準・責任を説明する
- コンテンツ:スコープ・デリバリー・モデル・リソース・責任・支援ツールと技法・標準・参照
プロジェクト・マネジメント・チーム組織
- 目的:プロジェクトに誰が関与するか、その関係性・協力方法を定義する
- コンテンツ:プロジェクト構造(チャート)・権限と責任の概要・コロケーションまたはリモートチームの作業プラクティスの取り決め・支援情報
役割記述書
- 目的:プロジェクト・マネジメント・チームのメンバーの役割と具体的な責任を説明する
- コンテンツ:役割名・権限(承認権限がある役割)・責任のリスト・説明責任先・支援情報(パートタイム/フルタイム・他の役割との組み合わせ等)
規模へのテーラリング
大規模・複雑なプロジェクト:
- プロジェクト・マネジメント・チーム組織として役割を複数の任命に分割できる(複数のシニア・ユーザー・シニア・サプライヤーなど)
- プロジェクト委員会はできる限り小さくすることがグッド・プラクティス
- 変更要求や仕様外項目の承認権限を委任する必要が生じることが多い
- 変更許可委員をプロジェクト委員会直属に設けることも選択できる
小規模・単純なプロジェクト:
- プロジェクト・マネージャーとプロジェクト・エグゼクティブの独立性が維持され、プロジェクト保証が確保されている限り、複数の役割をアサインできる
他フレームワーク補足
| 概念 | PRINCE2 | PMBOK | PgMP |
|---|---|---|---|
| プロジェクト組織の最高意思決定機関 | プロジェクト委員会(エグゼクティブ・シニア・ユーザー・シニア・サプライヤーで構成) | (今後追記) | (今後追記) |
| 3つの関心 | ビジネス・ユーザー・サプライヤーの三者の利害をプロジェクト委員会に集約 | (今後追記) | (今後追記) |
| 組織の階層 | 委託(ビジネス・レイヤー)→ 指揮(プロジェクト委員会)→ マネジメント(PM)→ 提供(チーム・マネージャー) | (今後追記) | (今後追記) |
| 独立した保証 | プロジェクト保証(PM・チーム・マネージャー・プロジェクト支援から独立) | (今後追記) | (今後追記) |
気に入ったならばコメントを残してくださいね~