原則
PRINCE2の原則とは、真にPRINCE2を使用して管理されているかどうかを判断し、あらゆるプロジェクトにPRINCE2を効果的に適用およびテーラリングすることを確実にするためのガイドとなる義務である。
基本定義
PRINCE2はプロジェクトの種類・サイズ・複雑性・重要性・リスク・レベル・デリバリー手法に関係なく、すべてのプロジェクトに適している。手法はやるべきことを規定するのではなく、原則を通じてガイダンスを提供するという特徴を持つ。
7つの原則
| # | 原則 | 一言要約 |
|---|---|---|
| 1 | ビジネス正当性の継続の確保 | 正当性がある限りプロジェクトを継続し、失われたら中止する |
| 2 | 経験からの学習 | 過去の教訓を積極的に模索し、記録し、実施する |
| 3 | 役割、責任、関係の定義 | ビジネス・ユーザー・サプライヤーの利害を反映した役割と責任を定義する |
| 4 | ステージによるマネジメント | ステージごとに計画・モニタリング・コントロールを実施する |
| 5 | 例外によるマネジメント | 許容度を定義し、委任された権限の制限を確立する |
| 6 | 成果物重視 | 成果物の定義とデリバリー、品質と要件を重視する |
| 7 | プロジェクトに合わせたテーラリング | プロジェクトの環境・サイズ・複雑性等に合わせて適用する |

1. ビジネス正当性の継続の確保
プロジェクトを開始するには正当な理由が必要であり、その正当性はプロジェクトのライフサイクル全体を通じて有効性を失わず、再検証される必要がある。
- 義務的プロジェクト(法規・規制)にも、選択したアプローチの正当性が求められる
- ビジネス正当性は変化しうるため、進化する正当性とプロジェクトが整合していることが重要
- 正当性が失われた場合はプロジェクトを中止し、コントロールされた方法で終了する
- 中止は資源を価値ある他のプロジェクトに再投資できるためビジネスにとってプラスとなる
- プロジェクト完了後は、最終的な投資を保証するに十分なベネフィットが実現したかを評価する
2. 経験からの学習
プロジェクト・チームは以前のプロジェクトとプロジェクト期間中に学んだ関連する教訓から改善の機会を積極的に模索し、記録し、実施する。それらを将来のプロジェクトに適用し、他の人が適用できるように共有する。
| タイミング | 活動 |
|---|---|
| プロジェクトの始動時 | 過去のプロジェクトや類似プロジェクトをレビューし、適用できる教訓を確認する |
| プロジェクトの進行中 | 各ステージの終わりに学んだ教訓を報告書やレビューに反映する(アジャイルではレトロスペクティブを活用) |
| プロジェクトのクローズ時 | プロジェクト期間中に得られた情報を共有する |
- 失敗と成功の両方から学ぶことが重要
- すべての関係者は教訓を自ら特定する責任がある
- 学習のニーズや好みは人によって異なるため、効果的な共有方法を検討する
3. 役割、責任、関係の定義
PRINCE2プロジェクトでは、ビジネス・ユーザー・サプライヤーの利害関係者の関心に関わる組織構造の中で、役割と責任を定義し、合意を取る。
- プロジェクトを成功させるには利害関係者との関係を理解し強化する継続的な活動が必要
- 3つの主要な利害関係者:ビジネス・ユーザー・サプライヤー(すべてプロジェクト・マネジメント・チームに効果的に表される必要がある)
- 役割と責任は明確で、曖昧な点がなく、受け入れられる必要がある
- 目標は、すべての利害関係者が理解し、効果的なプロジェクト・デリバリーを可能にする明確で一貫した構造を提供すること
4. ステージによるマネジメント
PRINCE2プロジェクトでは、ステージごとに計画・モニタリング・コントロールを実施する。
定義:ステージ — プロジェクト・マネージャーがプロジェクト委員会に代わって常に管理しているプロジェクトのセクション。
すべてのPRINCE2プロジェクトは最低 2つのステージを持つ
- 立ち上げステージ:プロジェクト成果物をデリバリーする作業の前に実施
- 後続ステージ:1つ以上のデリバリー・ステージ
ステージによるマネジメントの利点
- プロジェクトまたはビジネス状況の変更に適応できる
- レビューおよび意思決定ポイントを提供する
- 主要な決定を先に下してから、詳細な作業に移る能力を確保できる
- 例外によるマネジメントの原則を促進する
ステージ選択の考慮事項
- プロジェクト・ライフサイクルを通じたリスク影響度の最小化
- プロジェクトのサイズと複雑性
- 主要な意思決定・コントロール・ポイント
- セクターまたはビジネスの方針と標準
プロジェクト委員会は1 回につきプロジェクトの1つのステージを認可し、ステージにおける日常的なコントロール権限を合意された許容度でプロジェクト・マネージャーに委任する。
5. 例外によるマネジメント
PRINCE2プロジェクトでは計画に対するパフォーマンスの許容度を定義することによって、委任された権限の制限を確立する。
定義:許容度 — 計画でのベネフィット・コスト・時間・品質・スコープ・持続可能性・リスクのターゲットと比較して、次のマネジメント・レベルにエスカレーションしなくても許容される偏差。
説明責任は以下の方法で確立される
- 各レベルのパフォーマンスの7 側面に対する許容度を設定し、権限を委任する
- 許容度を超えることが予測される場合は、即座に1つ上のマネジメント・レベルにエスカレーションする
- 各マネジメント・レベルが効果的な例外コントロールを行えるよう保証のメカニズムを確立する
7つのパフォーマンス側面の許容度
| 側面 | 許容度の内容 |
|---|---|
| ベネフィット | 過小または過大に提供することが許容される度合い |
| コスト | 合意された予算に対して許容される超過・不足の度合い |
| 時間 | 合意されたターゲット完了日より遅れる・前倒しになる場合に許容される度合い |
| 品質 | 合意された受け入れ基準と比較して異なる度合い |
| スコープ | 計画の成果物の許容されるバリエーション |
| 持続可能性 | 持続可能性目標と比較してどの程度異なるかの度合い |
| リスク | 計画における集約されたリスクの制限 |
例外によるマネジメントにより、コントロールの機会を奪うことなくシニア・マネージャーの時間的負担を軽減できる。
6. 成果物重視
PRINCE2プロジェクトは成果物の定義とデリバリー、とりわけ成果物に対するユーザーの期待品質と要件を重視する。
4 種類の成果物
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| マネジメント成果物 | ビジネス・ケースや計画書など、プロジェクトのマネジメントを支援するために必要な文書または情報 |
| スペシャリスト成果物 | プロジェクトに必要なベネフィットを実現するためにユーザーが必要とする成果物 |
| プロジェクト成果物 | プロジェクト成果物記述書で定義されているプロジェクトからの総アウトプット |
| 外部成果物 | プロジェクトのコントロール外で開発・提供されているが、プロジェクトが依存している成果物 |
成果物重視の効果
- 成果物のデリバリーに直接貢献する作業のみが実施される(余分な作業なし)
- スコープ・クリープの管理に役立つ
- ユーザーの不満や受け入れを巡る紛争のリスクを軽減できる
- プロジェクトの一時中止または終了を支援する
成果物ベースのアプローチ
- 作業見積もり・リソース要件・依存関係・活動スケジュールを判断する成果物記述書を使用する
- 計画立案・責任・進捗報告・品質・変更コントロール・受け入れ・リスク・マネジメントのほぼすべての側面を支援する
7. プロジェクトに合わせたテーラリング
PRINCE2は、プロジェクトの環境・サイズ・複雑性・重要度・デリバリー手法・チームの能力・リスク・レベルに合わせて適用し、テーラリングできる。
テーラリングの目的
- プロジェクト・マネジメント手法をプロジェクトに適したものにする
- プロジェクトの規模・複雑性・重要度・チームの能力・リスクに合ったコントロールをする
テーラリングの原則
- プロジェクト委員会とプロジェクト・マネージャーが積極的に選択と決定を行う必要がある
- 効果的なプロジェクト・マネジメントには情報(文書に限らない)と意思決定(会議を開くことに限らない)が必要
- テーラリングしないと、プロジェクト・マネジメントの労力がプロジェクトのニーズに合う可能性が低下する
責任
- プロジェクト・マネージャー:テーラリングに対して実行責任を負う。教訓と標準を参考に勧告を作成する
- プロジェクト委員会:テーラリングに対して説明責任を負う。立ち上げステージの終了時とマネジメント・アプローチの変更提案のたびに勧告を承認する
テーラリングの詳細はプロジェクト立ち上げ文書に記載される。
他フレームワーク補足
| 概念 | PRINCE2 | PMBOK | PgMP |
|---|---|---|---|
| 原則の数 | 7つの原則 | (今後追記) | (今後追記) |
| ビジネス正当性 | ビジネス・ケースを通じてプロジェクト全体で継続的に確認 | (今後追記) | (今後追記) |
| テーラリング | 7つの原則を維持しながらプロジェクトに合わせて適用する | (今後追記) | (今後追記) |
| 許容度 | 7 側面(ベネフィット・コスト・時間・品質・スコープ・持続可能性・リスク)に対して設定 | (今後追記) | (今後追記) |
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